離婚調停とは?全体的な流れや雰囲気と手続きを徹底解説

 

離婚調停とは?全体的な流れや手続きを解説そもそも離婚調停とは、一体どういった手続のことをいうのでしょうか。
また、全体的な流れはどうなっているのでしょうか?

パラリーガル(弁護士の助手として動く法律事務員)として、いくつもの離婚調停の案件を間近で見てきた経験をもとにできるだけわかりやすく解説できればと思います。

離婚調停とは?

離婚を検討するに当たって、子どものことやお金のことについて双方の意見が割れてしまった場合や、話し合いをしようにも言い合いになってしまい、話し合い自体をこれ以上継続することができないような場合に、その解決の手段として、家庭裁判所に離婚調停の申し立てをすることができます。

もちろん婚姻している身であれば、誰でも申し立てをすることが可能です。

調停というのは裁判所での当事者同士の話し合いの場という意味合いがあり、裁判官と基本的には男女1名ずつの調停委員により、話し合いの方向性がある程度決められます。(※実際には裁判官は時々入るってくるだけです。)

そして、それに沿った双方の言い分を展開していき、双方が納得できた時点で調停成立となります。

調停中の雰囲気画像引用元:http://www.courts.go.jp/niigata/about/koho/l4/Vcms4_00000160.html

調停中の雰囲気
画像引用元:新潟家庭裁判所

もちろん離婚調停の話し合いにおいては、離婚そのものだけではなく、養育費や財産分与、年金分割といった金銭的な問題についても併せて話し合いをすることが可能です。

極端にいってしまえば、離婚に関わる全ての事由についての話し合いをすることができるのです。

さらに言えば、離婚を前提にした話し合いだけではなく、夫婦の円満調整を求める調停申し立ても可能で、もう一度、夫婦関係をうまくやり直したいという方向性で、どういった部分を改めていけば夫婦関係を円満にできるのか、という話し合いを進めることも可能です。

※関連ページ→「離婚調停と円満調停の違いは?同時に起こすことは可能?

つまり夫婦間における調停手続きとは、夫婦の関係を離婚に導いたり、円満に導いたりするためのものであり、裁判所ではこれらを総じて夫婦関係調整調停といいます。

離婚裁判と離婚調停は別物です

なお、離婚事件という大きなくくりで見れば、離婚とは人間関係の調整が必要である問題なので、いきなり争いをする裁判手続きではなく、まずは双方による話し合いでの解決が一番望ましいとされています。

これを調停前置主義といって、裁判所は原則としてこの考えを採用しています。

裁判は争いをする場ですが、調停はあくまでも話し合いの場なのです。

離婚調停を挟まないで直接裁判ができる例外としては、相手方が行方不明だったりして、根本的に話し合い自体ができないような、特段の事情がある場合に限られています。

離婚調停を始めるには?

では、離婚調停を始めるために、まずはどうしたらいいのでしょうか。

もちろん、まずは調停の申し立てをしなければ始まりません。

申し立てをしないことには、裁判所での話し合いをすることはできないのです。

いくら裁判所の窓口や電話で家庭の事情を話していても、裁判所は離婚相談所ではありませんので、「調停の申し立てをしてください。」としか言ってくれません。

離婚調停の手続きからそれ以降の流れ

離婚調停の申し立て、そして離婚調停の申し立て以降は、いったいどのような流れで行われていくのでしょう?

また、離婚調停が成立した場合、不成立となった場合、その後はどのような手続きが必要になってくるのでしょうか?

離婚調停を中心に離婚手続き全体の流れについてご説明していきます。

離婚調停を申し立てるまで

離婚調停とは、一般的に協議による離婚が叶わなかった場合に利用される手続きです。

よって、夫婦双方の話し合いによる協議離婚が成立するのであれば、離婚調停を申し立てる必要はありません。

しかし、夫婦だけによる話し合いの場合、離婚に際して決めておくべき事項(養育費や財産分与など)が曖昧なまま、離婚だけを成立させてしまうことが多々あり、離婚後のトラブルに繋がってしまう可能性が大きいです。

その点、離婚調停であれば、離婚に際して決めておくべき事項はすべて話し合いの対象となります。

このような事情から、少しでも協議離婚に不安を感じるのであれば、離婚調停を申し立てるというのは良い選択肢と言えるでしょう。

離婚後のトラブルが懸念される、または、夫婦による話し合いでは離婚を成立させることができない、といった場合に離婚調停の申し立てを検討してみましょう。

離婚調停を申し立てるには?

では、離婚調停を申し立てるにはどうすれば良いのでしょうか?

離婚調停は家庭裁判所にて行われる手続きです。

よって、まずは家庭裁判所に調停の申し立てをしないことには離婚調停が始まることはありません。

なお、申し立ての際は、管轄の家庭裁判所に注意するようにしましょう。

管轄となる家庭裁判所は、相手の住所地に近い家庭裁判所です。

ここでいう住所地というのは、住民票記載の住所ではなく、実際に相手が居住しているという意味です。

調停は話し合いが基本となる手続きであるため、話し合いを求めている申立人側ではなく、話し合いを求められている相手方側が調停に出やすいよう、原則として相手方の一番近い裁判所にて行うことになっています。
(※お互いの合意の上、変更することが可能です→「離婚調停の裁判所が遠距離の時は管轄合意や移送申立を」)

※関連ページ→「離婚調停をおこしたいが相手の住所がわからない時の対処法

離婚調停の申し立てに必要になるもの

離婚調停の申し立てには、「家事調停申立書」の作成・提出が必要になります。

この申立書については、家庭裁判所に書式が用意されていますし、裁判所のホームページからダウンロードすることも可能となっています。必要事項を記入し、裁判所に提出をしましょう。

なお、申立書には1,200円分の収入印紙、連絡用の郵便切手(1,000~2,000円程度)、その他の添付書類を付して提出します。

その他の添付書類としては、婚姻していることがわかる戸籍謄本、年金分割についても求める場合は、「年金分割のための情報通知書」をそれぞれ取り寄せ、申立書に添付する必要があります。

離婚調停の簡単な流れについて

離婚調停は、原則として夫婦が別々に呼ばれ進行されていくことになっています。

これを別席調停といいます。

話し合いがある程度進んでいき、裁判官が夫婦の同席が必要であると判断した場合、夫婦双方の合意を持って、同席調停へと変更され、より具体的な話し合いへと発展してきます。

なお、進行の流れとしては、夫婦双方から離婚やその他の問題(子どもやお金など)に対する意見を聞き、調停委員が調整をしていきながら進めていくというもの。

※関連ページ→「離婚調停では何を聞かれる?初回で聞かれるお決まりの質問とは

ここで、あまりにも夫婦双方の意見に食い違いが見られ、その調整も困難となれば離婚調停は不成立となります。

逆に、話し合いがスムーズに進んでいくようであれば、離婚条件を調停条項としてまとめ、離婚調停は成立に向けて進められていきます。

調停は何回行われ、どのぐらいの期間を要するのか

離婚調停を申し立ててから調停が終わるまでの期間ですが、ケースによってかなり差が出てきますので、一概に示すことはできません。

あくまで目安となりますが、第1回目の調停は申し立てから大体1か月後ほどで開かれ、調停ごとの間隔も1ヶ月ほどが多いです。

調停の回数に関しては早ければ1~2回で話がまとまる場合もありますし、必要であれば10回以上に及ぶこともあります。

詳しくは、「離婚調停の期間と平均何回で成立するか?最短と最長の目安」をお読み下さい。

離婚調停が成立した場合

無事に離婚調停が成立すれば、この時点で法的には離婚の効果が生じることになっています。

ただし、戸籍上はまだ反映されていませんので、戸籍にも離婚の事実を反映させるため、裁判所から作成された調停調書と離婚届を持って市区町村役場にて手続きをします。

※関連ページ→「離婚調停(成立)後の手続きを怠ると戸籍上はそのままになってしまうことも

一般的には、申立人側がこの手続きを取るものと考えられています。

その後、離婚届が無事に市区町村役場に受理されれば、数日後には戸籍上も離婚が反映されることになり、離婚の手続きとしてはすべて終了になります。

離婚調停が不成立となった場合

離婚調停が不成立となった場合、当然ながら離婚の法的効力が生じることはありません。

ここからの選択肢は2択となります。

あくまでも離婚にこだわり離婚裁判の申し立てをするか、再度の協議(または再度の調停)による解決を図るかのどちらかです。

ただし、調停が終わったばかりで再度の話し合いをしたところで、良い結果が望めるとは思えないため、再度の協議を図る場合は、少し期間を置いた方が良いと言えるでしょう。

※関連ページ①→「離婚調停不成立の場合の選択肢と離婚訴訟の提起の仕方
※関連ページ②→「離婚裁判の流れや期間と弁護士費用を実例とデータを交えて解説

また、稀のケースですが、調停不成立の場合に、審判によって結論が出されることもあります。

※関連ページ→「離婚審判の結果に不服申立てはできるのか

なるべくなら再度の協議・調停を

なお、離婚裁判というのは想像以上に精神的負担が多いものです。

というのも、今まではすべて話し合いが中心となっていましたが、裁判となれば判決による結論が出されることになるため、まさに白黒つける争いの場と言えるでしょう。

もともとは夫婦だった二人が裁判にて争うというのは、精神面を考えれば決して良いものとは言えません。

よって、可能な限り協議や調停による離婚が成立するように心がけましょう。

なお、離婚調停にかかる費用については「離婚調停の申立の費用と弁護士費用の相場」をお読み下さい。

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永瀬 優(パラリーガル)

永瀬 優(パラリーガル)

1986年生まれ。高校卒業後、東洋大学法学部法律学科へと進学し、2011年からパラリーガルとして法律事務所に勤務開始。法律事務所という環境化での経験を活かし、債務整理や離婚、相続といった法律関連の文章を得意としている。 たくさんの人に法律を身近に感じてもらいたい、誰もが気軽に法律を知る機会を増やしたい、という思いから本業の合間を縫う形で執筆活動を開始した。 現在もパラリーガルを続ける中、ライティングオフィス「シーラカンストークス」に所属するwebライター。著書に「現役パラリーガルが教える!無料法律相談のすすめ。お金をかけず弁護士に相談する方法と良い弁護士・良い事務所の探し方。」がある。
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