協議離婚というのは、本人同士の話し合いによって成立する離婚のことを言います。
一見すると、裁判所を利用する手続きでもないため弁護士に依頼する必要はないようにも感じますが、たとえ協議離婚でもあっても弁護士に依頼するメリットは十分にあります。
おおよそ法律の関わる問題であれば、弁護士の出番はいくらでもあるのです。
そこで今回は、協議離婚でも弁護士に依頼するメリットについて詳しく見ていきましょう。
協議離婚の離婚後はトラブルだらけ
そもそも協議離婚というのは、子どもの親権に関してのみ指定があれば、あとは特段の取り決めもなく離婚が成立してしまうことから、離婚後トラブルが起こり得る可能性が非常に高いのです。
しかし、離婚問題というのはそこまで単純ではなく、後になってから財産分与や慰謝料、子どもの養育費や婚姻費用の請求といった、様々な問題へと派生していくこともあり、こうした問題は離婚前に話し合われておくに越したことはありません。
一度離婚が成立してしまうともはや他人。
極力関わりたくないことからなかなか問題解決が進展しないことだって十分に想定されます。
そういったことがないように、協議離婚を選択する際は、離婚と親権以外についてもしっかりと話し合われる必要があるのです。
メリット①弁護士がいれば離婚後のトラブルを回避できる
そこで、離婚後トラブルを起こさないためにも、なにを話し合い、取り決めておけば良いのか?といった疑問を解決するところから、弁護士に依頼をするメリットが出てきます。
弁護士であれば、抜かりなく対応することが可能となっているため、離婚後トラブルを回避することを考えたら、協議離婚に弁護士が介入する意義は非常にあると言えるでしょう。
また、協議離婚のデメリットの1つに冷静な話し合いができないといったものがありますが、弁護士が介入することによって冷静な目線から物事を判断できるようになるため、感情的に話し合いが進んでしまうことを回避できます。
離婚問題というのは、あまり感情的に話を進めてしまうと、後から取り返しのつかないことにもなりかねないのです。
メリット②財産関係の問題にも対応可能
離婚に財産の清算といったお金の問題は付き物となっています。
しかし、支払う側からすれば多く支払いをしたくはありませんし、受け取る側からすれば少しでも多くもらいたいというのが心情。これで揉めないわけがありません。
しかし、弁護士であればこういった財産関係の問題への対応も強いです。
過去の裁判例を活かして、夫婦にとって妥当な金額をはじき出してくれますので、双方が納得のいく形で清算を終えることも可能と言えます。
財産関係の問題が調停や審判といった手続きにまで発展してしまうと、どうしても解決までに時間がかかってしまうため、協議離婚時に清算できたほうが、その後の生活のためにも良いと言えるでしょう。
メリット③子どもに関する問題(親権・養育費など)
離婚をする際は、親権や監護権・養育費といった子どもの問題を切り離すことは絶対にできません。
どちらも子どもの親権を求めているのであれば、そう簡単に引き下がることはできませんし、裁判手続きにまで発展してしまうこともめずらしくはありません。
また、養育費にしても離婚後に安心して支払いを受けるためには、離婚前にしっかりと書面にしてまとめておいたほうが良いに決まっています。
後になってからそんな約束はしていないと言われてしまえば、今までの話し合いはなんだったのかと余計にトラブルになってしまうこともあるのです。
そこで、弁護士に介入してもらうことによって、取り決めた内容につき法律的にも有効な書面を作成してもらえます。
また、仮に親権争いが裁判手続きにまで発展してしまったとしても、有利になるように事前準備をしておくことも可能となっているのです。
メリット④離婚協議書の作成
上記にて取り決めをした際の書面について少し触れていますが、離婚に際しての取り決めについては、すべてをまとめて「離婚協議書」という形で残しておくのがもっとも良いと言えます。
養育費だけでなく、慰謝料や財産分与といったお金の問題、子どもの親権・監護権だけでなく面会交流といった取り決めまで、口約束ですませてしまっては間違いなく後からトラブルへとつながってしまいます。
そこで、弁護士には離婚協議書を作成してもらい、安心して協議離婚を成立させることが可能です。
また、離婚協議書を法的拘束力のある公正証書にするための公証役場での手続きもサポート可能となっています。
このように、たとえ裁判手続きとはまったく関係がない協議離婚であっても、弁護士が介入するメリットは十分にあると言えるでしょう。